Souichitj’s Blog

海外からの読み物

慰安婦の問題を日本の外ではどう思っているのか

朝日新聞の慰安婦の記事の訂正があってから世界の慰安婦に関する認識も変わるだろうとか変わるようにすべきだとの論議がされてうますが実際のところ外国ではどう思っているかの意見を紹介する意味でこのブログを作ってみた。

これはアメリカの雑誌Forbeに載っていたエーモン・フィングルトン氏の'Disgusting!.'Cry Legal Expert:Is This A Top U.S. Law Firm Has Ever Stooped?'(”あきれかえった” と法律専門家は声をあげた、ここまで卑屈になった米国の中でもトップクラスの法律事務所)

この記事はグレンデールで慰安婦の記念碑を取り除く訴訟を起こした日系活動団体を弁護する筈だった法律事務所メイアーブラウンを酷評したものです。この記事のためかどうかはわかりませんが現在はメイアーブラウンは原告の弁護を降りたそうです。日本以外の慰安婦に関する見方の一端がわかるので自分なりに訳して紹介することにしました。

 

この記事の筆者のエーモン・フィングルトン氏は27年間東京を基点に東アジア経済を扱ってい経済記者です。日本については親日家でも嫌日家でもないと思います。

 

下が訳文です。

”あきれかえった” と法律専門家は声をあげた、
ここまで卑屈になった米国の法律事務所

ユダヤ人には大量虐殺は当然の報いだとの依頼を取り上げる一流の法律事務所がアメリカにあると思いますか? 普通の法律事務所はまず断るだろう、又評判がそれほどよくない事務所でも名前に傷つくリスクが大きいと判断して取り合わないだろう。
日本帝国陸軍が行った暴虐に関して弁護しようとする一流の法律事務所が米国に1つある。シカゴに本社を構えるメイアーブラウン法律事務所は米国で最も悪名高い”慰安婦”のケースー戦時中の大日本帝国陸軍が行った性奴隷はただの売春婦だったと証明しようとしている。
訴訟を起こしたのは日系人のミチコ シオタ ジンジャーリーと目良浩一
とGAHT-US(奇妙な名前、組織の正体を知ったらメイアーブラウンのまともな法律家なら恥ずかしくなると思うが後で話そう)。
訴訟の焦点は最近カルフォルニアのグレンデールの公園に建てられた韓国出資の慰安婦記念碑に関した件である。
訴訟の目的は記念碑はアメリカに住んでいる日系人に疎外感、嫌悪感、そして怒りなどの精神的苦痛を与える為取り除く依頼である。

これはユダヤ人のホロカースト記念碑がドイツ系アメリカ人に精神的苦痛を与えるから取り除けというようなものである。この訴訟はアメリカの主報道機関ではあまり話題になっていないが海外、例えばロンドンではロバートフィスクが痛烈な批判をしている。又法律関係のブロガーから辛辣な批判が、例えばロスアンジェルスの有名な司法家ケンホワイトは私は今迄こんなに腹が立ち唖然とした訴訟は聞いた事がないと。この訴訟は法律を馬鹿にしているから絶対成功させてはならない、そしてこれに関係した者達は社会的罰を受けることを覚悟すべきだ。ブログのリンクは
http://www.popehat.com/2014/02/25/controlling-public-art-by-lawsuit-japanese-american-citizens-sue-to-remove-comfort-women-memorial/

強烈な言葉だがホワイトの主張は正しい。既に多数の歴史資料で日本帝国陸軍が日本の植民地で営んでいた売春宿に多数の無邪気な少女達が銃で脅かされ連行されて性行為をやらされていたことがわかっている。
(勿論全部が無邪気な少女ではないが。軍は最初はプロの売春婦を使ったが、プロの売春婦でさえそんな地獄のようなところに自主的に働くものは少なかった。ごく少数の売春婦が軍の要望を満たしただけだ。日本の軍隊は巨大で6時間帯に広がって600万人いた。ほとんどの兵隊は休暇なんてなかった。)

27年間日本に滞在して東京で観察してきた私としてはメイヤーブラウンが主張してきた”今でも政治的な論議が活発に交わされている話題”はあきらかな詭弁だ。この問題ははっきりしている。慰安婦の証言に疑問を持つまともな日本人に私は会った事はない。

日本政府でさえ認めている。1993年に内閣官房長官河野洋平氏の発表した広く知られている”河野談話”によれば仲介人が軍のかわりに脅かして無理矢理に連行したケースが多々あると言っている。この発言によれば奴隷的扱いを受けていた婦人達の状況の詳細まで述べている。”軍隊の移動により彼女達も移動しなければならず彼女等に自由はなく惨めな思いをしなければならなかった。”

”河野談話は発表された時はアメリカの主な新聞の1面に扱われたニュースだったが内容に新しいものはなかった。東京は長い間否定してきたので事情に詳しくないアメリカの報道機関は内容を初めて知ったが、慰安婦に関する訴訟は欧米式の裁判で1948年にオランダの法廷で判決がくだされている。
オランダ領東インド(インドネシア)で行われた裁判ではオランダ婦女が日本軍将校達に性的奴隷を強いられた。1日本軍将校は死刑になり10人の日本人兵隊が刑務所に送られた。
1956年には欧米の日本外交では珍しく、日本政府から虐待犠牲者への補償を勝ち取ることはほぼ不可能だったが、日本政府が補償金を犠牲者に払った。
1985年にはオランダ政府は慰安婦についてオランダの戦争の歴史に掲載しました。リンクはhttp://www.awf.or.jp/pdf/0205.pdf

驚くべき事実の1つに被害国、中国、韓国、台湾、ベトナム、インドネシア、ビルマ、フィリッピン、そしてオランダ、の犠牲者の証言の詳細がほとんど似ているということである。
慰安婦の話は日本軍国主義の長い歴史でも1930年以前には聞いた事はない、日本は19世紀後半から20世紀前半にかけていくつかの戦争を経験しているが。それまで日本は婦女子の扱いに関してもジュネーブ条約の模範的な遂行国であった。それは新しい日本が文化国家として世界の覇権を握る強い欧米の国家の仲間入りする為の外交、経済政策の戦略であった。
1930年以前は軍の性的行為が皆無なのに突然起こってきたのは東京が”制限なしの戦争遂行”の政策を決めたことと合致している。(軍部が政府を超える権力を持ったこと、統帥権干犯、天皇の君臨すれども統治せず方針のことを意味していると思われる)

GAHT-USはGlobal Alliance for Historical Truth-US(歴史の真実を求める世界連合会)の訳で響きはいいが創設の謂れはそうでもない。この組織は最近2月6日に創設されUPS会館が正式な住所として登録されている。何が問題かと言うと意図的に他の組織の名前と間違える名前が選ばれた。Global Alliance for Preserving History of WWII in Asia, アジアにおける第2次世界大戦の歴史を守る世界連合会。後者は中国系アメリカ人の学者達で組織された昔から信頼されてきた学会組織で慰安婦論議にかんしては反対の立場をとる。グ-グルでGloval Alliance for Historical Truth を探索すると最初の2つは中国系アメリカ人の名前が見つかり評判の高い中国系アメリカ人の学者グループでさえ慰安婦は売春婦だと言う説に賛同しているという印象を受けるわけである。記事を書く為ミチコ.ジオタに電話して彼女は慰安婦の証言は虚偽と思うかと尋ねた。彼女は質問には答えず慰安婦記念碑は韓国か日本ならともかくアメリカに建てるべきではないと答えた。同じ理由で記念碑に反対する意見があったが少し偏ってる見方だと思う。事実は韓国系アメリカ人はグレ-ンデ-ルでは少数グループで他の民族グループが過去の残虐行為の記念碑を建てるのは珍しくない。ウイクペデアによればユダヤ人ホロキャストの記念碑だけでもアメリカに45ありアイルランドの飢饉に関してが16、トルコのアルメニア人虐殺が6ある。
 
メイアーブラウンはこの司法ケースを扱うべきかどうか?次の言葉は米国憲法修正第1条(宗教言論の自由)で有名なマークランダザのものである。”すべての法律事務所は度々次のような質問にでくわすだろう’この件に私の名前がでてもかまわないか?’次のような状況の場合このような判断をくださらなければならないだろう’この件を扱う事は正しいか?’正しいケースと正しくないケースはわかるはずだ、あtなたが犯罪を犯したと思う者を弁護することを言っているのではないー被告に公正な弁護は不可欠である、真に悪辣な者を弁護することでもないー重要な法律案件を見落としているかもわからない、私が言いたいのは心の底から嫌悪感を感じる場合である”
 
それなら何故アメリカの20のランクに入る立派な法律事務所メイアーブラウンがこのようなケースを弁護しようとするのか。答えは私にもわからないがケンホワイト氏のウエブサイトに載っていたコメントが適当に思える。
”メイアーブラウンはアジアでビジネスを行っているので多分大きな顧客を喜ばせるか、日本の市場に手を伸ばそうとしてるのでは”
 
以上